.
.
賃貸経営をしていると、退去や空室対策のタイミングで必ず必要になるのが「工事」です。
.
その中でもよく聞かれるのが「原状回復工事」と「リフォーム」。
.
.
似たように使われることも多い言葉ですが、実際には目的も内容も大きく違うため、混同すると余計な出費や入居者とのトラブルにつながります。
.
.
.
特にオーナーや管理会社にとっては、この2つの違いを正しく理解することが賃貸経営を安定させ、収益を守る第一歩です。
.
.
この記事では、原状回復工事とリフォームの違いを整理しつつ、よくあるトラブルや費用対効果の考え方、実際にどう活用すればよいのかを詳しく解説します。
.
.
.

.
.
.
💡 原状回復工事とは?
.
原状回復工事とは、退去した入居者が入居前の状態に戻すために行う工事のことです。
.
.
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常の使用で生じる経年劣化はオーナー負担、入居者の過失による損耗は入居者負担と定められています。
.
.
.
【代表的な工事内容】
.
*クロス(壁紙)の貼り替え
.
*フローリングやクッションフロアの補修・交換
.
*キッチン・浴室・トイレなど水回りのクリーニング
.
*設備機器の修理や交換(照明、水栓、エアコンなど)
.
*ハウスクリーニング全般
.
.
.
つまり「借りる前の状態に戻す」ことが原状回復工事の目的です。
.
オーナーとしては、次の入居者が安心して住める状態を整えるために欠かせない工事といえます。
.
.
.

.
.
.
.
💡 リフォームとは?
.
一方でリフォームとは、老朽化した部分を改修して、より快適で魅力的な空間にする工事です。
.
.
原状回復が「マイナスをゼロに戻す工事」だとすれば、リフォームは「ゼロをプラスにする工事」と表現できます。
.
.
【代表的なリフォーム例】
.
*キッチンや浴室の交換(最新モデルへ)
.
*和室を洋室に変更
.
*壁の一部をアクセントクロスにする
.
*床材をフローリング調に変更して清潔感を演出
.
*照明をダウンライトやおしゃれなLEDに変更
.
.
リフォームは「物件の魅力を高める投資」であり、結果として家賃アップや空室対策に直結します。
.
.
.

.
.
.
.
⚠️ よくあるトラブル事例
.
両者の違いを理解していないと、費用負担や入居者との間でトラブルが発生しやすくなります。
.
.
📝 事例① : 経年劣化を入居者に請求してしまった
.
クロスの日焼けや床の色あせなど、自然に発生する劣化はオーナー負担です。入居者に請求してしまうとトラブルの原因になります。
.
.
.
📝 事例② : リフォーム費用を原状回復に含めて請求
.
例えば、キッチンを最新モデルに交換した場合、それは原状回復ではなくリフォームです。入居者に請求することはできません。
.
.
.
📝 事例③ : 原状回復のみで済ませ、結果的に空室が長期化
.
最低限の修繕しか行わず「古さ」が残ってしまい、内見者から敬遠されてしまうケースも。結局、家賃を下げざるを得なくなる場合があります。
.
.
.
.
効率的なのは「組み合わせる」こと
.
.
実は、原状回復工事とリフォームは対立するものではなく、同時に行うことで相乗効果を発揮します。
.
.
✅ クロス全面貼り替えの際に、一部をアクセントクロスにする
.
✅ 設備を修理する代わりに、新しい省エネ型設備に交換する
.
✅ 床の補修時にフローリング調へ変更し、見栄えを向上。
.
.
このように、必要な原状回復+最小限のリフォームを組み合わせることで、コストを抑えながら物件の印象を大きく変えることができます。
.
.
.

.
.
.
.
【費用対効果を考えるポイント】
.
オーナーにとって重要なのは「どこにお金をかければ一番効果があるのか」という視点です。
.
.
✅ ターゲット層を意識する
.
単身者向け物件なら収納やデザイン性、ファミリー向けなら水回りの快適性が重視されます。
.
.
✅ 原状回復のタイミングを活用
.
退去後に行う工事だからこそ、まとめてリフォームを行うと追加の施工費を抑えられます。
.
.
✅ 印象に残る部分に投資する
.
内見時に目につく「壁・床・水回り」に少し手を加えるだけで、競合物件との差別化が可能です。
.
.
.
.
.
📝 家賃アップにつながる実践的リフォーム例
.
*アクセントクロス
施工費用は数千円~数万円と低コストながら、おしゃれで現代的な印象を与えられます。
.
.
*床材のグレードアップ
フローリング調のクッションフロアは耐久性・清潔感ともに評価が高く、入居者の満足度も向上。
.
.
*水回りの小規模リフォーム
キッチン扉にダイノックシートを貼る、水栓を最新型に交換するなど、費用を抑えつつ印象を大きく変える方法です。
.
.
.

.
.
.
.
【まとめ】
.
原状回復工事=「入居前の状態に戻す工事」
.
.
リフォーム=「物件の魅力を高める工事」
.
.
両者を正しく理解し、必要に応じて組み合わせることで、空室対策や家賃アップに繋がります。
.
.
賃貸経営では、単に修繕するだけでなく、費用対効果を考えた内装工事を計画的に行うことが求められます。
.
.
当社では、原状回復からリフォームまで幅広く対応し、オーナー様の物件に合わせた最適なプランをご提案しています。
.
.
「最低限の工事で済ませたい」「家賃を上げられる内装にしたい」など、お悩みがあればぜひご相談ください。
.
.