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賃貸経営において避けて通れないのが「退去時の原状回復工事」です。
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原状回復は単に部屋をきれいにする工事ではなく、入居者が退去する際に部屋を入居前の状態に近づけるための重要な工程です。
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しかしこの工事をめぐって、オーナーと入居者の間でトラブルになるケースが少なくありません。
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「傷や汚れは誰の責任なのか」
「工事費用は妥当なのか」
「経年劣化まで請求されるのでは?」
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こうした疑問や不安が、退去精算時の揉め事につながります。
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そこで今回は、退去時トラブルを防ぎ、オーナーと入居者の双方が納得できる原状回復工事のポイントを解説します。
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✅ なぜ退去時にトラブルが起きるのか
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退去時のトラブルには、いくつか典型的な原因があります。
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① 原状回復の範囲が曖昧
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入居者は「普通に生活していただけ」と思う一方で、オーナーは「汚したから修繕費用を払ってほしい」と考える。
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② 契約時の説明不足
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契約書に明記していても、入居者にとっては難しい専門用語が多く、理解できていないケースが多い。
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③ 修繕費の算定根拠が不明確
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「なぜ全面張り替えなのか」「なぜこの金額なのか」が分からないと、不信感につながる。
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つまり、ルールの共有不足と透明性の欠如が主な原因です。
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✅ 国土交通省ガイドラインの基本ルールを理解する
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退去精算の基準として広く参照されるのが、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。
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ここで定められている大原則は以下の2つです。
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① 経年劣化や通常損耗はオーナー負担
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例:クロスの日焼け、家具を置いた跡、設備の寿命による故障
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② 入居者の故意・過失による損耗は入居者負担
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例:飲み物をこぼしたシミ、タバコによるヤニ汚れ、ペットによる引っかき傷
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この原則を理解していれば、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
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✅ トラブルを防ぐための3つのステップ
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退去時のトラブルを防ぐためには、「入居前」「契約時」「退去時」のそれぞれの段階で準備と説明を徹底することが重要です。
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① 入居前:状態の記録を残す
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*入居前に室内の写真や動画を撮影し、クロスや床の状態を記録する。
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*可能であれば「チェックシート」を作成し、入居者と共有する
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これにより「この傷は最初からあったのか」という争いを防げます。
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② 契約時:負担区分を明確にする
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*経年劣化はオーナー負担、過失損耗は入居者負担であることを説明
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*タバコやペットによる汚損については特約で明記する
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*国交省ガイドラインを根拠に提示し、第三者的ルールで安心感を与える
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契約時にしっかり説明しておくことで、退去時の誤解を防ぎます。
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③退去時:立ち合いと透明な精算
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*オーナー(または管理会社)と入居者が一緒に現地確認を行う
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*損耗箇所を写真で残し、負担区分をその場で説明する
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*見積もりは内訳を細かく明示し、「なぜ工事が必要か」を説明する
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これにより「一方的に決められた」と感じさせず、納得感のある精算が可能になります。
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✅ ケース別:負担区分の具体例
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退去時に特にトラブルになりやすいのが「クロス」「床」「設備」の3点です。以下に代表的な例を挙げます。
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💡クロス(壁紙)
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*日焼けによる変色 → オーナー負担
*タバコのヤニ汚れ → 入居者負担
*家具設置による圧痕 → オーナー負担
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💡床材
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*フローリングの経年劣化 → オーナー負担
*重い家具を引きずった傷 → 入居者負担
*飲み物をこぼしたシミ → 入居者負担
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💡設備
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*水道蛇口の寿命による不具合 → オーナー負担
* 落下物による洗面ボウルの割れ → 入居者負担
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このように、経年劣化はオーナー、過失は入居者と整理することで、明確に線引きができます。
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✅ 透明性ある見積もりが信頼を生む
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退去時の最大の不満は「金額が不明瞭」なことです。
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*工事項目ごとに数量と単価を記載する
*入居者負担分とオーナー負担分を分けて提示する
*「部分補修ではなく全面張り替えが必要な理由」を説明する
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これらを徹底することで、入居者は納得しやすくなります。
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✅ まとめ:安心できる原状回復工事のために
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退去時のトラブルを防ぐには、事前準備と透明性のある対応が不可欠です。
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*入居前に部屋の状態を記録する
*契約時に負担区分を明確に説明する
*退去時には双方立ち会い、写真と内訳で説明する
*国交省ガイドラインを基準に判断する
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これらを徹底することで、オーナーと入居者双方が安心して退去を迎えられます。
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当社では、ガイドラインに準拠した原状回復工事を行い、明確な見積もりと説明でトラブルを未然に防いでいます。
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「退去時精算をスムーズにしたい」「次の入居者を安心して迎えたい」とお考えのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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