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〜柔軟で効率的な空間づくりで、使われ続けるサロンを目指す〜
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近年、美容業界では「セルフエステ」や「シェアサロン」といった新しい業態が急速に増えています。
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人件費を抑えながら利益を確保できる経営モデルとして注目されていますが、その分、内装の設計力が店舗運営の成否を分けると言っても過言ではありません。
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従来のサロンとは異なり、「利用者自身が機器を操作する」「複数の施術者が共用する」など特殊な条件があるため、一般的な美容室の設計をそのまま流用するとトラブルになりやすいのです。
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ここでは、セルフエステ・シェアサロンに共通して求められる内装の工夫を、具体的に解説していきます。
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1. セルフエステサロンの内装ポイント
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セルフエステの特徴は、お客様自身が美容機器を操作して施術を行うこと。そのため、安全性・快適性・プライバシーが内装設計の3本柱となります。
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まず、プライバシーを確保するために間仕切りの設置が不可欠です。
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天井まで完全に仕切る必要はありませんが、視線が交差しない程度の高さでパーティションを設けると安心感が生まれます。吸音パネルを使えば、隣の会話や機械音も軽減できます。
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次に重要なのは配線と照明設計です。
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電源コンセントは利用者の手が届く位置に配置し、床にコードを這わせないようモールや床下配線で安全に処理します。照明は手元が明るく、顔映りの良い光量を確保しつつ、全体は落ち着いた間接照明で統一するのが理想です。
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また、入れ替わりの多いセルフエステでは清掃性と衛生管理のしやすさも重要です。
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壁紙は汚れを拭き取りやすいビニールクロス、床は抗菌性・防水性のあるクッションフロアを選びましょう。白やベージュなど清潔感のある色合いをベースにすることで、視覚的にも安心感を与えられます。
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2. シェアサロンの内装ポイント
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シェアサロンは、美容師・ネイリスト・エステティシャンなど、複数の施術者が1つの店舗を共同で使うスタイルです。そのため、多様な業種・用途に対応できる柔軟な空間設計が求められます。
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まず意識したいのは「可動性」です。
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間仕切りを可動式パネルやロールスクリーンにしておけば、用途に合わせて空間を広く使ったり、個室にしたりと自在に変更できます。家具はキャスター付きや軽量素材を採用し、レイアウト変更のしやすさを確保すると運営効率が高まります。
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次に、シェアサロンの特徴として大切なのが「無個性のデザイン」です。
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これは悪い意味ではなく、どの業種にも合わせやすい“ベースとなる内装”をつくるということです。壁や床はホワイト・グレー・木目など落ち着いたトーンでまとめ、装飾は控えめに。利用者が自分の世界観を自由に演出できるようにしておくと、テナントとしての魅力が上がります。
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さらに、共用スペースの設計もシェアサロンの印象を左右します。
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受付はシンプルで清潔感のあるデザインにまとめ、初来店の利用者でも安心できる雰囲気を意識します。待合スペースにはコンセントや小テーブルを設置し、施術者とお客様の両方が快適に過ごせる空間を用意しましょう。バックヤードやロッカーなど収納を十分に確保することも忘れずに。
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3. 共通して押さえておきたいポイント
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セルフエステとシェアサロンは性質こそ異なりますが、どちらにも共通して求められるのは「柔軟性」と「メンテナンス性」です。
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まず、壁紙や床材などの内装素材は、耐久性が高く張り替えやすいものを選ぶことが大切です。
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利用者や施術者の入れ替わりが多い業態では、汚れや傷みの修繕が頻繁に発生するため、メンテナンスコストを抑える設計が長期運営のカギになります。
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また、電源や給排水設備なども「将来的な増設が可能」なレイアウトにしておくと安心です。
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たとえば、空配管や予備コンセントを事前に設置しておけば、新しい機器を導入する際にも大がかりな工事をせずに済みます。
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さらに、家具や仕切りは取り外し・移動が簡単な構造を採用し、テナントの入れ替えや施術内容の変更にもスムーズに対応できるようにしておくと良いでしょう。
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💡 まとめ
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セルフエステとシェアサロンのどちらにも共通して言えることは、“人が入れ替わっても使いやすい空間”をつくることが成功の鍵という点です。
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セルフエステでは「安全性」「プライバシー」「清潔感」が最重要で、利用者が安心して機器を使える内装設計が求められます。
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一方のシェアサロンでは、「柔軟性」「無個性のデザイン」「共用スペースの快適性」がポイントで、さまざまな美容従事者が快適に利用できる環境づくりが大切です。
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どちらの業態でも、「清掃しやすい素材選び」「後から変更できる配線・設備設計」「レイアウトの自由度」は共通の基本です。
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時代の流れに合わせて多様な利用スタイルに対応できるサロンこそ、長く選ばれ続ける店舗といえるでしょう。
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内装工事は単なる「見た目のデザイン」ではなく、運営の自由度と収益性を左右する経営戦略の一部です。
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これからセルフエステやシェアサロンの開業を検討されている方は、ぜひ“変化に強い内装設計”を意識して計画を立ててみてください。
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